霞ヶ浦意見交換会


第12回 霞ヶ浦意見交換会 議事要旨

日    時:平成18年3月5日(日)13:15〜16:30
場    所:潮潮来市立中央公民館
参加者数:66名(座長、話題提供者、行政含む)
議    題:「霞ヶ浦の環境について」

参加者名簿(座長、話題提供者、行政)
 
名  前
所    属
座長 前田  修 元筑波大学教授
話題提供者 花里 孝幸 信州大学教授
行政 中山 芳樹 茨城県企画部水・土地計画課
渡辺 邦夫 茨城県企画部水・土地計画課
石田 奈緒子 茨城県生活環境部環境対策課
松本 周一 茨城県生活環境部環境対策課
伊藤 敦史 茨城県土木部河川課

以下は主な議事

話題提供:「湖の水質と生態系の関わりについて −諏訪湖から学んだこと−」
(信州大学教授 花里 孝幸氏)

     花里孝幸氏(信州大学教授)より、湖の水質と生態系の関わりに関する話題提供をいただいた。

質疑

沼澤: スライド中にあった図では洗面器のような深さに思えてしまうが、霞ヶ浦も諏訪湖も浅い湖で実際はスープ皿みたいな湖である。緩やかな傾斜の沿岸帯が成立している自然の湖沼の場合は、風により巻き上げられたヘドロや植物プランクトン、植物の断片や死魚が波の働きで沿岸に打ち上げられていたのだと思う。だが、諏訪湖も霞ヶ浦も、ほぼ全面をコンクリート堤防で囲んだ皿のような湖なので、以前よりも打ち上げられる有機物が少なくなっているのではないかと考えられる。
 近年、自然再生や沿岸帯の再生といった話が出ているが、沿岸帯の生態系の重要性について意見をいただきたい。もう一つ、ヒシ等が生えてきた場合に、漁師が困るという話があったが、ヒシにしろアサザにしろ、秋に種を残した後、湖の中で腐って水質を悪化させる事があり得るのではないかと思う。私の意見としては、秋にヒシが種を落とした後の枯れる前の状態で刈り取れば良い、農家の人たちがモクトリをして、肥料として畑にまいたという話が霞ヶ浦にもあるので、アサザも地下茎や葉等を刈り取れば良いのではと考えている。これら2点について意見をいただきたい。
花里: 後半の方から先に答えると、おっしゃった通りだ。水草は湖底の泥から窒素・リンを吸い上げる一方、枯れると窒素・リンを水の中に回帰させてしまう悪者だということで、一時積極的に除去したことがあるが、現在はその行為がかえってマイナスだったという反省になっている。水草は、水の流れを抑えて植物プランクトンを沈殿させたり、根を張ることで湖底の懸濁物等の舞い上げを抑えたりと、様々な点において浄化に良い働きを行うと考えられる。実際に、水草が殖えると湖がきれいになることを観察して確認している。ただし、植物は最後には枯れ、窒素やリンが出てくる。労力はかかるが、理想的には枯れてから刈り取れば良い。
 湖全体の水質について考えると、湖のボリュームに対して水草の量は少ないので、水草が極めて重要な水質浄化の働きをしているとは言い切れないが、沿岸帯に様々な水草があることで多様な生物が生活できるので、まずは生物体を据えていくことが大切だと思う。
 何より私が重視したいのは、景観で、湖の評価をするに当たっては見た感じが大切である。憩いの場として湖を利用することは、人間にとってプラスになると考える。
 諏訪湖の場合、現在は湖岸を全て改修して、水草帯を増やしたり、本来は諏訪湖にはなかった玉砂利を敷いて水遊びができるような場所を造っている。そうすることで今まであまり湖に近づかなかった人々が訪れて憩うようになったし、ジョギングロードを作ることで、多くの人が諏訪湖の周りを利用するようになった。人々が利用する場所付近に水草が生えていると、精神的に癒されるなどの効果もある。
 環境基準ができて以来、水の汚染はCODの値で表している。諏訪湖はきれいになった様に見えるが、CODは大して下がっておらず、数値を見ると水質は改善されていない。アオコがなくなり、水草が増えた事で、住民の意識としては好ましい状況になっていると捉えられている。環境基準だけではなく、今後は湖ごとにそれぞれ望ましい姿、浄化の指標を作っていく必要があり、その中で湖岸の景観や水草の占める役割は大きいと思う。

霞ヶ浦の環境の変遷と現状と課題(霞ヶ浦河川事務所)

     霞ヶ浦河川事務所より、霞ヶ浦の環境に関する変遷、現状と課題について説明を行った。

意見交換

座長: 河川事務所からの環境に関する件と、花里先生のお話について質問及び意見を頂きたい。
宮沢: 「集水域」という言葉が花里先生のお話の中にあったが初めて聞く言葉だ。湖の貯水量や集水域の人口密度等も加味して、集水域を軸にして湖水質の汚染度を指数として表現することが可能なのかをお尋ねしたい。
座長: 花里先生、富栄養化の物差しとして、集水域面積を使えるかという質問です。
花里: 湖面積に対して集水域面積、または、湖のボリューム(貯水容量)に対して集水域面積がいくらかという比は、汚れやすさの指標にはなる。湖面積に対して諏訪湖は40倍、霞ヶ浦は10倍弱。ただし、集水域がどの程度汚れているかによるが、流入河川のBODやCODでは評価できない。河川水の汚れはBODやCODで表現される有機物が原因になるが、湖水への河川水の影響は、無機体の窒素、リンも重要であるので、評価は難しい。
事務局 :補足します。本日配布している「霞ヶ浦」というパンフレットの2ページ目左上の図に赤い線で「流域界」(=集水域)を示している。この赤い線の内側に降った雨は、流域の汚濁物質と一緒に霞ヶ浦に入ってくる。入ってくる汚濁物質の量(負荷量)は13ページに示している。今日は諏訪湖のデータがないので示せないが、集水域面積に対してどの程度の負荷量が入ってきているのかという諏訪湖との比較は可能だ。
宮沢: 北浦の鹿島側に水門が十数個ある。それぞれの水路幅は5〜6m程度であり、これらを数箇所に集約して北浦への流入箇所の土手の内側に処理場を作って処理してから北浦に放流すれば簡単に水を浄化できるのではないか。底泥浚渫よりは有効なのではないかと考える。
事務局 :霞ヶ浦に流入してくる支川のほかに、農業用の排水路がある。堤防に穴が開いていたり水門が付いているものには2種類ある。一つは取水するもの、もう一つは排水するもの。今のご指摘の話は、排水路をなるべく集約化して、霞ヶ浦に流入する前に浄化したら良いのでは、というお話だと思うが、重要なアイデアとして認識している。先ほどパワーポイントで、ウェットランドをお示ししたが、湖内湖(湖の中の湖)という形で、川から入ってきたものを一旦仕切りを作ったところに貯めて、汚濁物質を沈殿させて、上水(うわみず)だけを湖に流すもの。若しくは、植生浄化というもので、入ってくる支川の水をヨシ等の植生帯の中を通すことによって、負荷を落として湖に入れるという仕組みを考えているところだ。
 支川を集約してから流入させるというのは効率的な考え方と思うが、実際には排水系統や水路の水面高さ等色々な条件があるため、それらを十分検討しながら今後詰めていきたい。
岩波: 国土交通省から人・豚・牛などの負荷量の説明があったが、これらは発生負荷量なのか、湖への流入負荷量なのか。また、人・豚・牛のトータル負荷量の数字が出ていたが、その内訳を教えていただきたい。
事務局 :先ほど示したグラフは、「牛などの頭数(フレーム)×原単位」で算出した発生負荷だ。原単位とは、例えば、豚1頭が一日に排出する負荷量のことで、これと流域の豚の頭数(フレーム)を掛け合わせることで、豚による負荷量が算出される。フレームはその時点の頭数を、原単位は恐らく第3期の原単位を用いている。
岩波: 湖にとって意味のあるのは流入負荷量であるので、流入負荷量の全体とその内訳を示して欲しい。
事務局 :今日は資料を用意していないので、今後そのような示し方をしたい。
升 : 今の話に関連して、グラフには養鶏が示されていない。流域の養鶏は全国でもトップレベルであるので負荷量のデータとして示して欲しい。
事務局 :分かりました。
沼澤: 先ほど人口のグラフを示されたが、それは流域人口ではなく流域にかかる市町村の人口であるという話だった。流域人口を示して欲しい。
 もう一つ、県の方でコイヘルペスウィルスに耐性のあるコイを育成したりワクチンを開発したりとやっているようだが、網生け簀養殖は、湖に相当負荷を与えている。ハス田からの負荷の流出については県の方で随分と研究が進んだとの報道が最近あったが、コイの網生け簀養殖についても真剣に考える必要があると思う。網生け簀養殖について諏訪湖の状況について花里先生に伺いたい。また、県には、環境対策課と農林水産の方で話し合いが行われているのかを伺いたい。
事務局 :1点目の流域人口についてはご指摘のとおりである。今後流域内人口の数字に統一したい。
県環境 対策課:コイ養殖が止まってから丸2年が経過したが、養殖業者の方々はそれでご飯を食べていらしたということもあり、県としては産業振興と水質浄化をどのように折り合いをつけるか検討中である。現在、第5期計画の水質保全計画を作っている最中であり、漁業者や産業振興を担当する農林水産部や環境対策課の考え方をすり合わせながら方向性を出していきたい。
花里: 諏訪湖も昔はかなり養殖をしていたが、今はごく僅かである。県の対策で減らしたのではなく、コイが売れなくなったから減った。きちんとしたデータはないが、諏訪湖の浄化が進んだ要因の一つには、それが減ったこともあるかも知れない。
真山: 鯉の養殖が止まって2年経過したが、水質に対して何らかの変化はあったのか。
事務局 :コイの養殖あり・なしに係わらず、定期的な月1回採水調査によって定点観測を湖内数ヶ所で行っており、さらに自動監視装置によって日々リアルタイムで観測している。そのようなデータを見ていても、コイの養殖が止まったという要因のほかに、色々な要因がある。先ほど説明したとおり、例えば平成16年には大きな台風が2つ来襲するというイベントがあった一方、平成17年は大きな出水も渇水もなかった。水質は色々な要因が複雑に関連している。網生け簀のコイからの負荷量がなくなった以上の大きな要因があるかも知れない。もう少し長い目で見て、他の要因を分析する必要がある。データはしっかりととっている。そのデータをどう分析するかについては今後の課題である。
座長: あるものの変化が全体の変化としてあらわれるにはタイムラグがある。それから、例えば植物プランクトンに影響すると云われるリンは、例えば溶解性のリンを測ってみると1週間の間で2倍や3倍は上がったり下がったりする。本当にそれがCOD経由で植物プランクトンに影響するかどうかを調べるには、少なくとも3日に1回程度は計測するような仕事をしないと分からない。しかし、それほどのお金を掛けられないので、全体の傾向を掴んで、その傾向に対応する必要な手立てが何かあるかということを検討している。理学的な発想と環境面の保全の対策とは必ずしも同一レベルでは論じられないということを考えの中に入れて置いていただきたい。
橋本( 男性):思い付きであるが、底泥浚渫は30cmほどの深さで行われているが、極端で現実的でない話だが、もし30m深く掘るとすると、水質としてはどのような変化になるのか。
事務局 :何のために掘るのかが重要である。現在土浦と高崎で行っている浚渫は水質浄化が目的である。湖内に流入してきたものが底泥として湖底に溜まっていく。またプランクトンの死骸も湖底に溜まっていく。湖底に溜まったものが分解するときに酸素が必要だが、その酸素がなくなると湖水に戻って(溶出して)くる。浚渫の目的は、この溶出してくるところをなるべく取るのが目的であり、なるべく濃度の濃い所を重点的に浚渫している。浚渫しても流域からはどんどん入ってきて堆積するので、流域の対策と湖内の対策を一連で考えながら進めていきたい。
花里: 30m掘れたら水質は良くなると思う。ある程度深くなると水温成層が形成されるので、下にたまったものは少なくとも夏の間は上に上がってこない。しかし、1〜2mでは変わらない。10m以上の深さがあると変わると思うが、コストがかかる上、取った後の泥の処理が難しいので現実的ではない。
座長: 現在の霞ヶ浦の水面は海面と同じ程度だ。30m掘ると恐らく中から潮が湧いてくるので、かなり難しい。
橋本( 男性):先日、鉾田の養豚業者を見てきた。15万頭の豚を飼っているような大きな業者は何億円もかけて屎尿処理施設をつくっているが、数千頭の小さな業者はそのような施設を作れないので、やめるしかないというような話であった。
環境対 策課:昨年、家畜排泄物法が完全施行され、野積みや素掘りは禁止され、県の農林水産部の指導の結果、ほぼ100%野積み、素掘りはなくなった。堆肥については農地への過剰施肥をしないよう指導している。また、子牛農家と畜産農家の連携として、良質な堆肥が欲しいという子牛農家も居るので、そこを結びつけるネットワーク施策を展開しながら効率よく回したり、系外に出す、過剰な施肥をしないという徹底した施肥指導などに重点をおいていきたい。
橋本( 男性):エサに抗生物質等を使っているのが問題である。
橋本( 男性):前回も触れたが、北浦から鹿島灘を結ぶ運河を兼ねた排水路を作ったら良いと思う。掘割川を拡張して排水路として活用するのはいつ頃になるのか。
事務局 :掘割川については初めて聞かれる方もいらっしゃるかと思う。後ろに掲示している迅速測図に、江戸時代末期に掘った掘割川放水路が描かれている。霞ヶ浦の流域に降った雨は全部霞ヶ浦にたまる。霞ヶ浦の出口が殆どないことから、掘割川放水路として掘られた。掘ったは良いが、海側の河口部に砂が溜まって閉塞してしまって流れなくなった。明治43年の洪水の際に一度だけ利用された。
 この掘割川放水路が現在においても必要なのかということだが、前回の治水がテーマの際にお話ししたとおり、100分の1確率相当の洪水、若しくは昭和13年に起きた洪水程度でも安全な霞ヶ浦にしたいと考えている。そのときには、今の常陸利根川以外にも放水路が必要であると考えているが、具体的な位置については不明な段階だが、検討はしている。
 冒頭の事務所長の挨拶の中で、利根川の河川整備基本方針が決まったと申し上げたが、基本方針というのは、100年先の利根川全体をどのような姿にするかというものである。その大方針を受けて、今後30年程度の間に霞ヶ浦をどのように整備していくのか、その中で、掘割川放水路についても触れることになると思う。しかし、実際に掘割川放水路の建設に着手するのはもう少し先の話になるかと考えている。規模についても200mになるのか数百mになるのか、現在計算中である。
橋本( 女性):北浦の水質問題は、鹿行が一つになって考える必要がある。各町村の議会に署名ををもって陳情に上がった。ようやく今月の議会で各市町村一律に提案に至り、国・県に対する意見書がまとまる段となった。
 今度は、石鹸や養豚の問題に着手する予定だが、養豚業者自身だけでは解決できないということで私の方へ業者の方から陳情にいらしたので驚いている。
 鹿行が一つになって自分たちの問題として考えてもらうよう活動しているので、皆さん方にもご協力いただきたい。
座長: 大変心強い。
鈴木: 大岩田の湖岸に人工の前出しができたが、遠めには植生が繁茂して良い景観になっているが、水際部にヨシが生えていないために植生浄化にはなっていない。水際部にヨシが生えるよう工夫していただきたい。
事務局 :植生のところは治水上の波浪対策には有効である。状況に応じて消波施設と組み合わせて植生帯の回復を図りたい。工法については試験的に11箇所で緊急保全対策を行っているのでそれらの例示を見ながら検討したい。水質については、植生による浄化効果はあると思うが量的に効果を見込むことは困難であると考えている。生態系や景観等の環境面のために植生を回復させたい。それがひいては水質のためにもなると理解している。
花里: 私は埋め立てのような感じでもヨシが生えることは景観的に良いことだと思う。また、水草が再生するためには湖底まで光が届くことが重要で、諏訪湖では透明度が上がったから水草が再生した。緩勾配であればどこかしらそれぞれの深さがあるので、際のところでは水の中から水草が生えてくる。水草を増やすためにも、大岩田護岸は私は評価している。
座長: かみそり護岸より良い。植生の水質浄化効果の評価は難しいと思うがいかがか。
花里: ある程度広い面積に水草が生えないときれいにはならない。ある程度水質がきれいになると水草が増え、水草が増えると水草が更に水をきれいにする。あるレベルまでは何とかして水質浄化をして、自然の力で浄化できるレベルまで持っていく必要がある。なかなか遅々として進まないと思うが、水草が生えやすいような湖岸形態を作っていくということは重要である。
橋本( 男性):国土交通省のやられているのは幅10〜20m程度の前浜だが、我々は100m前後の前浜を北浦全体にぐるっとやることを提案している。諏訪湖の近くで効果が出たらしいという話を聞いているが、実際に効果があるのか実験をしていただきたい。
橋本( 女性):ヘドロを集めておくと種を蒔かなくても何も植えなくても自然に発芽するということを農作業をしていた頃に経験している。ただし北浦は波が荒いので幅が必要だと思う。何十年と農作業をしてきた経験から得た智恵だ。我々の経験に学んで欲しい。
座長: 近くなのでご意見を伺いに言って下さい。
事務局 :はい。
沼澤: 先ほど、大岩田の多自然型護岸について埋め立てという言葉を使われていたが、養浜あるいは前浜造成という言葉を使った方が良い。養浜にしては傾斜がきついので消波施設が必要になってくるのだと思う。農民の智恵でもっと広く前浜を造成するという形にすれば消波施設も不要である。市民協会では里浜造成と言っている。消波施設がなければ波が寄せてきて種子などが打ち寄せてきて発芽する。湖沼の護岸線は護岸堤で確定しているが、そこから内側に前浜あるいは里浜を造るという考え方を今後の30年計画の中で取り入れていただきたい。
座長: 大岩田の多自然型護岸の写真に写っている緑色の多くは陸生の植物である。水辺の湿地帯の植物は少ない。始めの頃はかみそり護岸が見えなくなれば良いという発想があったが、今はもっと多様な環境を作ろうと考えられている。
鈴木: 窒素とリンの状態を昭和30年から40年代に戻すと、昔のように本当に沈水植物若しくは浮葉植物が復元するのか。素人考えでは今までの説明を聞く限りはそのように聞こえる。
事務局 :先ほどもご説明したが、お配りしたパンフレットの20ページに湖岸植生帯の減退要因フローを示している。透明度が上がれば沈水植物は増えると思うがそれだけではなく色々な要因が絡まっている。単に窒素・リンの話だけでは結論づけられない。
座長: 窒素・リンは第一条件だが、それだけでも十分ではないと理解いただきたい。

霞ヶ浦市民ネットワークについて

座長: 一昨年10月に開催した第9回意見交換会で市民ネットワークを立ち上げると言う話をしてから随分と時間がたった。諸般の事情、事務的な手続きの遅れから大分遅れてしまったが、できれば本日その話をまとめたい。この間の経過について、意見交換会で出た話なので、それをまとめてきた事務局の方から経過を説明してください。
事務局 :資料6に「これまでの経緯メモ」という表題の資料をお配りしている。第9回霞ヶ浦意見交換会(H16.10.3開催)で前田先生から情報共有化を目的とした市民ネットワークづくりが提案された。その後2回の設立準備会で、会の名称は「霞ヶ浦市民ネットワーク」とする案が良いということ、構成員や事務局などについて話し合いがなされた。その後、第10回意見交換会でこの2回の設立準備会の内容について報告をしている。その後、第3回の設立準備会を先月2月11日に開催して、次の内容を話し合った。
 活動内容は、先ずできることから進めるということで、当面、霞ヶ浦に関するイベント等、皆さまが取り組んでいるイベント等について活動予定を事務局で集約して、会の皆様に発信してはどうかということである。
 会の運営方法は、世話人を設け、世話人といわれる人が霞ヶ浦の将来像を共有するための活動内容を話し合って運営してはどうか。
 情報の集約、発信については、当面の間は霞ヶ浦河川事務所がお手伝いできないか。
 事務局は土浦市にある霞ヶ浦インフォメーションセンターに設置してはどうか、
ということが第3回設立準備会での意見である。
座長: 活動内容は、とにかく立ち上げてゆっくり考えていこうではないか。当面、それぞれが活動しようとしていること、予定などを交換して、皆でわかりあうための仕事を始めることから始めようということだ。霞ヶ浦の将来像をみんなで共有するためにはどうしたら良いかということを、世話人が中心になって話し合い、それを皆さんにご披露する。そのような犠牲的精神を持った世話人が必要である。そのためにはいろんな連絡が必要だが、当面は、霞ヶ浦河川事務所が面倒を見てくださると言うのでお願いしたい。国土交通省が霞ヶ浦インフォメーションセンターをやっているが、市民と国土交通省との接点ということで、ここに事務局を設置したい。
 皆さまに設立趣意と書いた黄色い紙をお配りしている。裏面にネットワークの連絡についてイメージ図を示している。相互の連絡は状況に応じてインターネット、FAX、郵便を使い分ける。情報を事務局に届けておくと、事務局が郵便局の役割になって、皆さんに届けてくれる。参加は強制ではないが、基本的に個人又は団体で、全体として霞ヶ浦の話をしていきたい。同時に行政も国土交通省の霞ヶ浦河川事務所、水資源機構、茨城県をつないでいく。
 以上のようなことでとにかく動いて立ち上げてしまいたい。本当に立ち上げるためには皆さんの同意を得て、世話人を選出して、その世話人の中で話し合っていただいてその先の仕事をお願いできればと考えている。
橋本( 男性):日本全国から見れば霞ヶ浦と言えば北浦も含むかもしれないが、我々北浦を中心に活動している者から見ると、北浦が袖にされてるような印象を受ける。名称は、できれば「霞ヶ浦・北浦市民ネットワーク」としてもらいたい。
座長: 大賛成だ。霞ヶ浦の「ヶ」という字を大きな「ケ」にしたら北浦もみんな含むというような話もあるが通用しない。修正意見としてもっともだと思う。
座長: 設立準備会は、意見交換会をどうやって進めていくかという会議にご参加いただいた方々を核に集まっていただいたが、その方々には是非世話人になってくださいとお願いした。その他にも世話人になってもいいよという犠牲的精神をお持ちの方、給料は出ないが、いらっしゃったらこの場でなくても結構なので、今月中に河川事務所にご連絡いただきたい。お断りされる方の情報もまとめて、世話人会の立ち上げの世話まで河川事務所でやっていただけるか。
事務局 :了解した。
座長: 事務局は霞ヶ浦インフォメーションセンターに設置すると書いたが、インフォメーションセンターの運営に携わってらっしゃる方として、いかがか。
真山: 是非、霞ヶ浦・北浦のために努力させていただく。インフォメーションセンター水の交流館を担当している、霞ヶ浦市民協会副理事長の真山です。今、北浦のお話があったが、霞ヶ浦全体を輪にかけてネットワークをつくりたいと考えていたので大変痛いところを指摘されたと思う。北浦の皆さんと是非手をつないで一緒にやっていきたい。国土交通省と連携をして努力していきたい。
座長: 是非よろしくお願いしたい。では、名称は「霞ヶ浦・北浦市民ネットワーク」として、以後、これに関することは世話人の方々と国土交通省で進めていただき、この意見交換会からは形式上切り離して進めていく。ということで、私の役割は終わったということでお願いしたい。

今後の予定

事務局 :治水の現状と課題について前回お話しし、今回は水質と湖岸植生についてお話しした。先般、利根川全体の100年規模の基本方針が出たので、今後、霞ヶ浦の今後30年程度の整備計画について、これから行政として原案を作っていこうと思う。原案を作る段階から市民の皆さまのご意見を賜りたい。次回の意見交換会は、河川整備計画に関連した中身についてご意見を伺うという内容を考えている。インターネットや新聞その他でご案内したい。
座長: いつ、どこで、何をやるかということを、できるだけ速やかに事前に皆さんに知らせて欲しいという要望があるので、よろしくお願いしたい。
事務局 :分かりました。できるだけ速やかにお知らせしたい。

(了)   




注:

本稿は、第12回霞ヶ浦意見交換会における意見交換の内容を要旨としてとりまとめたものです。詳細な意見交換の内容が必要な方は、意見交換会事務局まで連絡を頂ければ速記録を公開いたします。


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