霞ヶ浦湖岸植生帯の緊急保全対策評価検討会 中間評価

 平成12年度に湖岸植生の保全・再生を目的として「霞ヶ浦の湖岸植生帯の保全に係る検討会」を設置し、湖岸植生帯の減退要因とその対策案の検討を行い、その検討結果を受け、平成13年度に西浦・北浦11地区において湖岸植生帯の緊急保全対策工を整備しました。

  また、事後モニタリング調査の結果をもとに緊急保全対策工の評価を行うことを目的に「霞ヶ浦湖岸植生帯の緊急保全対策評価検討会」を平成15年度に設置し、5年間のモニタリング結果から得られた知見や評価を中間評価としてとりまとめました。

 主な知見の総括は、植生面積は、整備前の約7haから整備後5年で約16haに増加し、種数においても沈水植物を除き、1970年代と同程度以上の再生をみました。また、整備した植生生育場も概ね安定するなど、一定の成果や知見が得られました。

 課題としては、沈水植物について、ワンド内で一時的に再生しましたが、後に抽水植物により被陰され減退し、かつてのような沖側での沈水植物の再生は達成できませんでした。沖側で再生しなかった理由の一つとして透明度の向上等、湖内の水質浄化が重要であり、流域全体で長期的な視点にたった水質改善対策が必要であることが言えます。そのために、当面は平成19年3月に策定された第5期霞ヶ浦に係る湖沼水質保全計画に則った水質改善対策を実施していくことが重要であると考えています。

 今般とりまとめられた湖岸植生帯の緊急保全対策工の中間評価を、湖岸植生帯の保全・再生対策などの整備に役立てていきます。

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